2015年9月30日水曜日

翻訳記事: 齊力斷金(Chilly)選手インタビュー

 世界大会アジア太平洋地区予選に出場し、10月1日の初戦でKno選手と対戦する台湾の齊力斷金(日本語読み:チーリードアンジン)選手。台湾のe-sportsメディアサイト「Iron Forum」が9月23日に選手の齊力斷金インタビューを掲載していました。以下、おおまかに翻訳してご紹介します。

【選手インタビュー】 台湾の新星 齊力斷金(翻訳:nemuke)

 BlizzConの前哨戦である台湾・香港・マカオ地区予選から一晩たった今、最後は台湾の若いプレイヤーである齊力斷金がトッププレイヤーを倒し、台湾最大のLANイベント「WireForce」で台湾Hearthstone五虎大将軍の1人であるPinpinghoを下して台湾・香港・マカオ地区の覇者となった。多くのプレイヤーはこの若き天才について知らないだろう。では、Iron Forumが皆と一緒に齊力斷金とお喋りしよう!


若き齊力斷金(右)、初めての国際試合に臨む

――あなたのことはあまり知られていません。齊力斷金、自己紹介をしてください!

齊力斷金(以下、齊力) : こんにちは! 僕は齊力斷金、英語名はchilly。今年18歳で台北在住です。今回優勝することができとてもうれしいです。

――18歳とはとても若いですね! ご自身について、家族の方々はどう見ていますか?

齊力: 両親はサポートしてくれていると言えますね。結局僕自身は勉強が好きではありませんし、高校卒業後も勉強したいとは思っていませんでした。彼らは無理やり僕に自分の好きなことをさせても意味がないと思ったんです。だったら自分の好きな目標に向かって進んでいけばいい、悪いことをしなければそれでいい、と。

――どうして齊力斷金という名前にしたのですか?

齊力: これは僕の本名が関係していますね。字は熟語(※)と同じではないのですが、僕はこのIDがとても好きだったので今までずっと使っています。

※: 中国語には「齊力斷金」と同じ発音で「其利斷金(協力して大きな力を出す)」という4字熟語がある

――この種の大きな大会に初参加で優勝するのはとてつもないことです。今大会参加の感想をお話いただけますか?

齊力: 対戦表を見たときは大変なプレッシャーを感じました。特にベスト8以降は全員の実力が拮抗していましたので、優勝は本当に予想外のことでした。

――対戦表を見たときに思った最強の相手は?

齊力: 長兄(※)ことtom60229です。長兄のデッキにはウォリアーとドルイドがあり、完全に僕のフリーズメイジのカウンターとなっていました。その上長兄の実力は安定していますし、もし僕が長兄と会ったらおそらくボロボロに負けてしまうだろうと思っていました。

※: 昨年台湾地区代表のtom60229は台湾コミュニティから大哥(長兄)と呼ばれている

――ではWeifuがtom60229選手を敗者側に落としたときはほっとしたんじゃないですか?

齊力: その通りです。長兄が敗者側に入ったことで、僕の代表権獲得にも光が見えてきました! どんなトップデッキも今予選中、長兄と会わないことには及びません。


齊力斷金は今大会の優勝で運が最も良かったのはトップデッキではなく長兄に出会わなかったことだという。

――Hearthstoneのプレイを始めたのはどうして?

齊力: 友だちのグループに誘われたことで始めたんです。ベータテスト開始のときですね。結果アップデートから今まで僕しかプレイしなくなりました。

――ちょっと寂しいですね。

齊力: まあいいですよ。僕もHearthstoneで多くの友だちと出会って「派小星後援會(※)」というチームを作ったんです。これも本当に面白いですよ(笑)。

※:「Lvstar(派小星)」という女性実況プレイヤー(Facebookページ)を応援するチーム

――どうして「派小星後援會」というのですか?

齊力: 僕たちの小さなチームで唯一の女性プレイヤーが「派小星」だったんです。実のところ、グループにはトッププレイヤーも多くいました。今大会に出場したjays、殺手雄は皆「派小星後援會」のメンバーです。

――彼らの戦績はいかがでしたか?

齊力: ベスト16はメンバー対決となり、みんな僕に敗れてしまいました。これは本当に辛かったです。彼らは僕に「絶対に勝て」と言ってくれました。チームにとって、僕は唯一の希望になったんです。

――最も得意とするクラスは?

齊力: 最も得意なのはドルイド、次はウォーロックです。ドルイドはコンボドルイドが改良される前は強くありませんでしたが、僕はとても面白いと思っていました。また、僕がWorld of Warcraftをプレイしていたときもドルイドは大好きだったので、ベータテスト開始から今までずっとドルイドをプレイしていたんです。ほかのクラスは僕が試合に出場する必要が出てから練習を始めました。

――ドルイドが大好きとのこと、では、ウォーロックのほうは?

齊力: ウォーロックは本当に試合のために練習しました。でなければずっと触ることはなかったでしょう。ウォーロックのプレイは変化に溢れています。速いデッキにも遅いデッキにも組むことができ、試合で対戦するときは先に相手を混乱させられるので、割と有利を取りやすいのです。

――今回アジア太平洋予選には多くのトッププレイヤーが現れます。色々な状況が発生するかもしれません。どんな準備で予選に臨むつもりですか?

齊力: 最近の主流は明確だと思っています。パトロンウォリアーやシークレットパラディンといったものですね。僕は主流デッキを組むのはそこまで得意でははないのですが、ほかのプレイヤーが主流に行くよりも自分の利点は何かと考えました。パトロンウォリアーを使わず、デッキはを微妙に調整してパトロンウォリアーにカウンターしようと思っています。まさに「主流に走らず、カウンターする」ということですね。

――つまり、自分の使う主流のデッキはドルイドだけということ?

齊力: ドルイドを使う理由は好きなこともありますが、現在非常に強いということもあります。天敵がいません。最初に使って相手を探るのにも、最後に残しておくのもどちらにも使えます。


自身の試合に対する考え方は「主流を使わず、カウンターする」ということ

――多くの試合を経て、どのデッキがほかのプレイヤーに過小評価されていると思いますか?

――フリーズメイジはとても強いと思います。しかし今大会には誰も持ち込んでおらず、本当に意外でした。Flareなどのカードによってカウンターすることはできるものの、今試合中、誰も特別に注意してフリーズメイジをカウンターしてはいませんでした。パトロンウォリアーと戦うのは大変ではあるものの、勝ち目がないわけではありません。相手のミスを捉えれば倒すこともできます。

――反対に、過剰評価されているデッキは?

齊力: パトロンウォリアーは皆が言うほど強くはないと思います。順調なときはたしかに怖いのですが、手札事故が起こると悲惨なことになります。安定度は決して高くないと思います。

――国外で尊敬しているプレイヤーはいますか?

齊力: 国外ならRDUです。彼は僕のフリーズメイジの師匠と言えるでしょう。彼が最初にフリーズメイジでAmazを倒したのを見て僕はフリーズメイジを始めました。

――国内の選手では?

齊力: tom60229とWeifuです。長兄は実力が高く、人柄も謙虚です。彼はFlash Wolvesに1年間いたことで、物凄い速度で成長していきました。本当に尊敬しています。そして、Weifuは考え方が独特な選手だと思います。フェイスハンターのデッキは組むのもプレイするのも上手いです。僕がフェイスハンターで問題を抱えたら彼に聞きに行きますね。本当に僕を助けてくれました。



齊力斷金が国内で最も尊敬する2人は長兄とWeifu

――今回の予選は大舞台に立つ初めての経験でしたよね?

齊力: そうです。この舞台は私が以前プレイした小さなオフライン大会とは本当に違っていました。結果、予選では少し混乱してしまいましたし、選手が外の音を聞こえないよう、イヤホンに流れる音楽にも慣れませんでした。帰ってから動画を見たら自分のプレイがめちゃくちゃなのに気付きましたね。

――つまり、今大会は大きな経験になったというわけですね。

齊力: ええ。大舞台で対戦するのはどんな状況か、今まで誰も教えてくれませんでした。イヤホンに流れる外音遮断の音楽など、自分のプレッシャーへの耐性と経験が足りないと自分の力を正常に発揮できないことに気付いたのです。なので今回のWirForceの大舞台は僕を大きく成長させてくれました。


WirForceの大舞台を通じ、齊力斷金は自分の経験不足を知った

――各サーバーのメタはある程度異なりますし、デッキタイプも違います。今大会のデッキ、アジア太平洋予選に向けたデッキ、BlizzConに向けたデッキも少し異なりますか?

齊力: 基本はドルイド、フリーズメイジ、ウォーロックなど、私がよく使っているものになるでしょう。しかし対戦相手に応じて微妙に調整しますから、不利にならない、あるいは少しびっくり(笑)させるようなデッキになります。

――現在、アジア太平洋予選の選手は殆ど決まっています。比較的厳しい相手はいますか?

齊力: 台湾の五虎大将軍のPinpingho以外では、韓国のKranichもまた強力な相手です。彼は昨年もBlizzConに出場しており、今年もまた出場します。実力の安定性から見ても経験量から見ても、Kranichは恐るべき相手です。

――アジア太平洋地区、もしくはBlizzConに向けてどんな思いを抱えていますか?

齊力: BlizzConに行きたいと思います。Blizzardゲームのプレイヤーとしても機会があれば必ず行きたいものです。今その機会が目の前にある。なら、絶対につかみ取りたいです。進出後にトッププレイヤーの多くを絶対に倒せる、とまでは言いませんが、僕は台湾の実力を信じています。必ず世界のトッププレイヤーと対戦できるでしょう。

――昨年tom60229が台湾地区の出場権を手にした後、Flash Wolvesと契約を結びました。また、今年は遠征でも活躍を見せています。tomのようなプロ選手になりたいと思いますか?

齊力: プロ選手は本当に羨ましいです。機会があれば僕もプロ選手になりたいと思っています。実況プレイを始めたのもEasonが僕に「先に配信を始めて名を挙げればプロチームに入れる」と言ってくれたからです。

――つまり、今後については自分が国内外のチームに自分の実力を見せつけ、プロ選手になれる機会を作りたいということですね?

齊力: 実のところ、絶対にプロ選手になりたいわけではありません。僕はただ、何か機会があれば、チームや試合への招待でも何でも試してみたいのです!


インタビュー後、我々も齊力斷金が勢いがあるだけでなく、自分にも深い自身があることを知りました。この若きスターが国際舞台でどう活躍するか、皆さんも一緒に見てみましょう!

元記事

(掲載元の翻訳及び写真転載の許諾を得ています)

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