2014年6月19日木曜日

6月14日に開催された「第二回ゆるHearthstone会」、オフラインで集まってプレイするHearthstoneの楽しさとは?

 6月14日に東京・目黒区の市民館「緑ヶ丘文化会館」で開催されたHearthstoneのオフラインイベント「第二回ゆるHearthstone会」には総勢27名の参加者が集まりました。各自がノートPCやタブレットを持ち込んでHearthstoneのフリー対戦やリミテッド対戦会、マリガン討論会を行って盛り上がったのですが、今回も私nemukeがそのイベントの模様をレポートします。

写真:Hearthstoneをプレイする参加者の様子


目次

第二回ゆるHearthstone会
・緑ヶ丘文化会館 第一研修室
・準備した機材
・フリー対戦

・レギュレーション
・5割の勝負
・Shamanの天敵
・疲労対策

・3人の勝負
・Rogueの本領発揮なるか
・Doomguardの恐怖
・Control対策デッキの弱点
・デッキの調整不足

・Priestの底力
・最終順位

・手札を公開してプレイする
・Leeroy Jenkinsの意外な使い方
・上達のチャンス
・類似のイベントも増えるか

第二回ゆるhearthstone会

緑ヶ丘文化会館 第一研修室
 第二回ゆるHearthstone会が緑ヶ丘文化会館の部屋を借りているのは午前9時から午後9時までの12時間です。午後9時は撤収作業を済ませて部屋を出ないといけない時間なので、イベントが終了するのは午後8時頃になります。
 私も最初から参加しようと意気込んでいたものの、前日にリミテッド対戦会で使うデッキのことなどを考えていたら頭が冴えて寝られなくなってしまいました。ようやく寝付いたのは当日午前5時で、目を覚ましたときにはすでに10時半。起きたときも頭がぼーっとしていて身支度にも時間がかかってしまい、家を出る頃には11時半になっていました。急いで自転車で駅に行って電車に乗り、会場最寄駅の自由が丘駅から走っていきましたが、緑ヶ丘文化会館に着いたのは結局、正午過ぎでした。

 幸いに自由が丘駅は私の最寄り駅から3駅の距離だったので14時からのリミテッド対戦会には間に合ったのですが、もし会場が秋葉原のe-sports SQUARE AKIHABARAだったりしたら危うく参加レポートが書けなくなるような情けない事態になるところでした(笑)。

写真:会場の緑ヶ丘文化会館

 前回と同様、緑ヶ丘文化会館の壁にかけられた掲示板には「第一研修室・午前9時~午後9時」の欄に「ゆるHearthstone会」の名前がマジックで大きく書かれていました。囲碁クラブや子育てサークルといった活動と共にデジタルゲーム「Hearthstone」の名前が掲示板に並んでいるのはやはり奇妙な感覚があります。
 ところで個人的に最も気になったのは「第六研修室(美術室)・午前9時~午後5時」の欄にあった「混沌」という名前の活動です。一体どんな活動が行われているのでしょうか…。ついでに取材してみたらよかったかもしれません(笑)。

写真:緑ヶ丘文化会館 本日の行事案内

 同じ緑ヶ丘文化会館でも前回は定員16名のこぢんまりとした一室での開催でしたが、今回はそれよりも一回り大きくなった会場「第一研修室」での開催です。
 私が着いたときにはすでに20名ほどの参加者がノートPCやタブレットを広げ、Hearthstoneの対戦に興じていました。中にはどうプレイするべきか悩んでいたのでしょう、「うーん」と頭を抱えながら画面を見つめている人もいました。

 知っている人を見つけて挨拶すると、そのうちの1人から「顔色が悪いですけど大丈夫ですか?」と言われてしまいました。寝不足が顔に表れていたのかもしれません。

写真:第一研修室 ゆるHearthstone会

写真:会場風景

 受付で主催者のShinzakiさんに参加費の500円を支払うと、前回も使用したネームホルダー(nemukeのBattletag入り)をもらいました。各自Battletagの入ったネームホルダーを首から提げることで、ほかの参加者とのフレンド登録がスムーズに行えるというわけです。受付にはネームカードに名前を書くためのカラー鉛筆やリミテッド対戦会で使うスコア集計シートなども用意されていました。

 近くのホワイトボードにはイベントのタイムテーブルやリミテッド対戦会のレギュレーション、Shinzakiさんと参加者から提供されたWifiのパスワードなどが書かれています。

写真:受付と主催者のShinzakiさん

写真:説明事項が書かれたホワイトボード

準備した機材

 続いて会場前方の席に座り、機材を広げました。前回のゆるHearthstone会で私が持ち込んだタブレットは「インターネットの接続が安定せず対戦中に接続が切れてしまう」「タッチパネルの反応が悪くてキー入力やHearthstoneのカード使用に手間取る」という2つの問題に悩まされました。
 そこで今回はネット接続を安定させるためにUSB接続の無線LAN子機をそのタブレットに取りつけ、操作をスムーズに行うためにBluetoothのマウスとキーボードを用意。これがうまくいき、今回はイベント全体を通して(ときどき回線が重くなったりはしたものの)対戦中にディスコネクトしたり、操作に手間取ったりせずに済みました。

 また、ゆるHearthstone会では「リミテッド対戦会で各ラウンドが始まるたびに新しい対戦相手のところへ行く」というように機材ごと席を移る機会も多くあります。そんなときにコードを気にしなくていいBluetoothのデバイスはとても便利でした。

参考:今回私が用意した機材
無線LAN子機(BUFFALO):WLI-UC-GNM2
マウス(ELECOM)M-BT11BBシリーズ
キーボード(ダイヤテック):Majestouch MINILA Air JP68キー 赤軸

写真:タブレットの右端に取り付けたUSB接続の無線LAN子機とBluetoothのマウス・キーボード

 前回のゆるHearthstone会ではShinzakiさん自身と参加者によって提供されたWifiルーターのみでネットに接続していたため、ほかの参加者にとっても回線がやや不安定でHearthstoneが対戦中にディスコネクトすることもあったようです。しかし今回はShinzakiさんが業者からレンタルしたというWifiルーター2台が加わっていましたから、ネットへの接続が安定していて、ディスコネクトなどの問題はありませんでした。

 なお、Wifiルーターレンタルサービスの仕組みは「ネットで申し込み、指定日に到着後、期日までに発送して返却する」という流れです。送料はかかってしまいますが、直接店舗に出向かなくていいのは便利ですね。
参考記事(kakaku.com):国内用Wi-Fiレンタル比較

写真:今回新たに業者からレンタルしたというWifi

フリー対戦
 リミテッド対戦会が始まる14時まで、私はほかの参加者の人を相手にフリー対戦でリミテッド対戦会用のデッキを試していました。
 会場は飲食自由だったので、お昼休憩の12時~13時におにぎりやサンドイッチを買ってきている人もいます。私も買ったおにぎりを持ってきていました。



写真:リミテッド対戦会が始まるまで、参加者は各自フリー対戦を楽しんでいた

リミテッド対戦会開始

レギュレーション
 「各プレイヤーがデッキを2個用意する3本勝負(BO3)のスイスドロー」という形式のリミテッド対戦会で、今回使用が禁止されたのはLegendaryカードです。「Epic以上のカードとHero固有のRareカードが使用禁止」という前回のレギュレーションに比べると制限が大分緩やかになりました。
 対戦への影響としては、Legendaryカードには8マナで8点ダメージをランダムの相手に与えるRagnaros the Firelordといった後半に強いカードが多いものですから、それらのカードに頼るControl(長期戦型)のデッキタイプは弱体化が予想されます。
 したがって私はAggro(速攻型)とMidrange(中速型)のデッキタイプが対戦会で増えると見込み、Aggroに強いTempo Rogueと、Tempo Rogueが苦手であろうControlデッキに強いMidrange Shamanを用意して対戦に臨みました。この思惑が正しかったのかどうかは後の試合で明らかになります。

写真:私が用意した2種のデッキ

 前回と同じく、試合後はスコア集計シートに各ゲームの勝敗と残りヘルスを記入してShinzakiさんに報告します。勝敗数が同じプレイヤー間の順位は残りヘルスの合計値で決まる仕組みです。

写真:スコア記入例

 14時になってShinzakiさんがリミテッド対戦会のルールを説明すると、続いて第1回戦の対戦組み合わせを発表し、各参加者のスコア集計シートを配っていきました。リミテッド対戦会の参加者は総勢26名。誰もが今日のために組んだデッキを携えて対戦に臨みます。

写真:リミテッド対戦会の音頭を取るShinzakiさん

写真:リミテッド対戦会が始まると参加者たちはそれぞれの対戦相手の近くに座り、試合を始めていった

5割の勝負
 リミテッド対戦会で私は初戦でいとおさん、2回戦でkyounoさんと対戦することになり、どちらもTempo Rogueのデッキがうまく回ってくれて2-0で勝利しました。

 迎えた3回戦の対戦相手は前回のゆるHearthstone会のほか、多くのオフラインイベントで会っているのあさんです。今までにもオンラインで練習などはしていましたが、このようなイベントでのあさんと試合するのはこれが初めてでした。

写真:3回戦対戦相手ののあさん

 対戦相手の使用Heroはスコア集計シートに書かれており、各プレイヤーはその情報を元に先発のデッキを決めることができます。「Warlock・Hunter」というのあさんのHeroの組み合わせを見て真っ先に私の頭に浮かんだのは「Handlock(Control型Warlock)・Aggro Hunter」という構成でした。
 のあさんは自身のブログ「放浪者の地下研究所」にHandlockのガイドを掲載するなどその扱いに慣れている印象だったこと、また、のあさんが会場に到着したばかりのときに「もう1つのデッキがなかなか決められなかったんですが、Aggro Hunterにしました」という声が(わざと嘘を言った可能性もありますが)聞こえたことがその理由です。
参考記事(放浪者の地下研究所):【Hearthstone】Handlockがわからない【練習枠3夜目】

 しかし、問題は「こちらがどのデッキを先に使うか」です。私のTempo RogueはAggro Hunterには強いのですが、確定除去がないのでHandlockが出してくるTwilight Drakeといったヘルスの高いMinionの対処には困ってしまいます。
 一方でMidrange ShamanはTwilight Drakeを1マナのEarth Shock1発で潰せることもあってHandlockには有利なものの、序盤の展開が遅い上にヘルスの回復手段がないのでAggroデッキ、それも全力でこちらのヘルスを削ってくるAggro Hunterは天敵だと言えます。

 つまり、私がどちらのデッキを選んでも「5割の確率で極端に相性の悪いデッキと当たる」のです。1戦目で相性の悪いデッキと当たって負けてしまうと、2戦目を勝ったとしても3戦目には再び相性が悪いデッキと当たることになりますから、極端に言えば「最初のデッキの相性でBO3の勝負がほぼ決まってしまう」のです。
 どちらを先に使うかでいろいろと悩みましたが、相性の悪いデッキと当たれば勝てないのはどちらも変わらないと思い、私はこれまでの対戦通りRogue先発で行くことにしました。

 すると1戦目、暗闇の中から「Your soul shall be mine!」という叫び声が聞こえます。そこには紫色の衣服に身を包み、目を赤く光らせているHeroがいました。Tempo Rogue対Handlock。私は5割の勝負に負けてしまいました。

 試合ではせめて序盤から攻めていくしかないと思ってMinionを展開して行きますが、のあさんは3ターン目からコインを使って4/8のTwilight Drakeを出してきました。こちらが出せるのは3マナ3/1 Divine ShieldのScarlet Crusaderや4マナ 4/5のChillwind Yetiですから、やはりHandlockとTempo RogueにはMinionのステータスに圧倒的な差があることがわかります。Minionの対決で負けた私はずるずると投了に追い込まれてしまいました。
 Handlockへの対応力をつけるという意味では、デッキにTwilight Drakeのヘルスを1にできるIronbeak Owlや、どんなMinionも手札に戻してしまうSapなど、大型Minionへの対策カードを入れておけばよかったかもしれません。

 一方で2戦目は一転して私のMidrange ShamanがTwilight Drakeを1発で倒せるEarth ShockやどんなMinionも0/1の蛙にしてしまうHexといった優秀な除去に助けられ、9ターン目には場の全Minionのアタックを+3点するBloodlustで合計17点のダメージを叩き出して勝利しました。

Shamanの天敵
 さて、3戦目ののあさんのデッキは案の定Aggro Hunterでした。こちらの初期手札は1マナのArgent Squireや2/3 Tauntの狼を2体場に出すFeral Spiritといった対Aggroに重要なカードが無かったので最高とは言えませんが、のあさんも手札がよくないのか、倒されたときに2点のダメージを相手Heroに与えるLeper Gnomeといった序盤のMinionがなかなか出てきません。あくまでHero PowerのSteady Shotで2点ずつヘルスを削ってくるだけです。

 Hunterと対戦していて何よりも怖いのが場のMinionの数だけ1/1 ChargeのBeastを出すSpellのUnleash the Houndsです。パッチで弱体化されてマナコストが2から3に増えたとはいえ、脅威であることに変わりはありません。Minionを大量に並べてしまうとこのSpellで反撃されてしまうので、こちらは場のMinionの展開を3体以下に抑えます。
 するとのあさんは6ターン目にほかのBeastが場に出るたびにカードをドローするMinionのStarving Buzzardと場のBeastのアタックを+1点するMinionのTimber Wolfを出してきました。明らかにUnleash the Houndsを使い、一気に手札を補充しながら盤面をリセットするという強力なコンボの前触れです! …が、Unleash the Houndsはとうとう現れませんでした。「無いんですよね…」ぽかんとしている私にのあさんがこうつぶやきました。盤面をリードした私は、そのまま攻撃を加え続けて勝利しました。

写真:残りヘルス11点で勝利

 Aggroデッキは大半がマナコストの低いカードで構成されているから動き出しが早いものの、ターンが進んでマナコストの高いカードを相手が使ってくるようになるとカード1枚1枚の性能差が出てしまって厳しい展開になります。Midrange Shamanにとって天敵のHunterでしたが、引きの良さに救われた形となりました。

疲労対策
 あまりに緊張してしまったせいか、試合後は頭痛がして、立ち上がると目眩にも襲われました。実のところ、当日は現地からライブレポートをお届けしようと思っていたのですが、試合に集中しているとそれだけで精一杯で、なかなかほかの作業を並行して行うことができません。
 こうした疲労対策の1つとしては「脳に栄養を与えるために甘いものを食べる」ことでしょうか。同じ頭脳ゲームの将棋の名人戦では「午後3時におやつを食べる」ことが習慣となっており、ネット上には棋士が注文したおやつの画像や、棋士がおやつを食べている動画が数多くアップされています。4月22日に行われた森内名人と羽生三冠の名人戦第2局では、森内名人が「喜多方ラーメンプリン」という珍しいおやつを選択して話題になりました。

「【午後3時】おやつが両対局者に運ばれた。地元の「お菓子の蔵 太郎庵」の6品が用意されていたが、森内名人は「喜多方ラーメンプリン」、羽生挑戦者は「熱塩(あつしお)加納産有機米みたらし団子」と「塩豆大福」のセットを選んだ。」(朝日新聞、将棋名人戦 第2局第1日目ダイジェスト、4月22日の記事)
参考記事(Excite Bit コネタ):将棋名人戦の「おやつ」に関する様々な疑問

4回戦

3人の勝負
 ここまで3-0で残ったプレイヤーはダルさん、そうすいさん、私の3人です。前回はプレイヤー数16名だったので4回戦時点で3-0が2人しかいなかったのですが、今回は26名だったので3-0が3人残りました。
 したがって次の試合で3人のうち2人が勝てば4-0が2人になってしまい、勝敗数で優勝と準優勝を決めることができません。これについては「当初は4回戦で終わる予定でしたが、4-0が2人出た場合はその2人の間でBO1の優勝決定戦を行います」とShinzakiさんから追加ルールの発表がありました。

 さて、私が4回戦で対戦することになったのはe-sports SQUARE AKIHABARAのオフライン大会で何度も対戦しているvoidさんでした。voidさんとの対戦は第1回オフライン大会以来4回目で、1勝3敗の戦績です。

写真:対戦相手のvoidさん

 スコアシートに記載されたvoidさんのHeroはWarlockとDruid。Druidは一時的に2マナを生み出すInnervateや2マナでマナクリスタルを1つ増やすWild GrowthといったSpellでマナコストの重いカードの使用をサポートできるHeroです。マナコストの重いカードが使いやすいというその特徴からデッキタイプはMidrangeとControlが多く、これに対してはHex
などの除去で後半の大型Minionに対処できるMidrange Shamanは有利に戦えるでしょう。しかし、Tempo Rogueも序盤から盤面を取っていければ悪くはありません。

 一方でWarlockはControlのHandlock、AggroのZoo Warlockとどちらでも組めるのが厄介な相手です。Tempo RogueはHandlockが辛く、ShamanはAggroのZoo Warlockに勝てません。

 対Warlockだけを考えるとどちらのデッキを選んでも変わらないのですが、Druid戦にも相性が良いのはMidrange Shamanです。仮にTempo RogueでHandlockに負けたとしても、Midrange Shamanなら残る2つのデッキを両方とも倒せる可能性が高いでしょう。有利な相手が多いという意味でMidrange Shamanを温存したいと思い、この試合でも私はTempo Rogueを先発に出していくことにしました。

写真:4回戦進行の様子

Rogueの本領発揮なるか
 1戦目はWarlockとの試合になりました。Handlockだったら控えのMidrange Shamanで勝てるのでZoo Warlock向きの手札をキープします。
 後攻1ターン目でvoidさんはFlame Impを出してきました。Flame Impは場に出たときに3点のダメージを受けるデメリットがあるものの、その分1マナの割に3/2という高いステータスを持つMinionです。1マナのこのMinionが出てきたということは、AggroタイプのZoo Warlockが確定です。

 2ターン目にはHero Powerで武器を装備しますが、手札に武器のアタックを2点増やすDeadly Poisonと、武器を破壊してそのアタック分のダメージを相手全体に与えるBlade Flurryがあったのでこのターンに攻撃はしません。次のターンにvoidさんが大量のMinionを展開してきたら、Deadly Poisonをつけて相手Heroを殴り、Blade Flurryのコンボで相手全体に3点(Heroには6点)ダメージを与えることができます。
 3ターン目にvoidさんはコインを使ってShattered Sun Clericを場に出し、その効果でFlame Impを4/3に強化して4点のダメージを与えてきました。ちょうどいいタイミングではないか、と思ったので返しのターンに前述のDeadly PoisonBlade Flurryのコンボを使って場のMinionを一掃します。これによってヘルスは26対21とリードすることができました。

スクリーンショット:Deadly PoisonBlade Flurryのコンボは3マナで相手全体に3点(Heroには6点)ダメージを飛ばすことができる

Doomguardの恐怖
 続いてSen'jin ShieldmastaChillwind Yetiといったステータスの高いMinionを展開していきます。しかし出した直後に0マナ4点ダメージのSoulfireなどで除去されてしまって盤面を固めることができません。
 後攻7ターン目にDoomguardが出てくると戦況は一変します。Doomguardは2枚のカードを捨てるというデメリットの代わりに5マナ5/7 Chargeという破格のステータスを持つMinionです。
 Chargeによって場に出た直後に5点のダメージを飛ばせるというのはもちろんのこと、7点という高いヘルスの存在もあり、こちらは2~3枚のカードを消費しなければDoomguardを倒すことはできません。 同じCharge MinionのArgent Commanderが6マナで4/2 Divine Shieldというステータスであることを考えるとそのステータスの高さが伺えます。中盤では盤面を抑えるために、終盤では最後の一撃を加えるために活躍するZoo Warlockの切り札です。

スクリーンショット:残りヘルスが少ない状況で圧倒的な威圧感を放つDoomguard(盤面上・左端)

 Doomguardによって盤面を抑えられた私はそのまま残りヘルス3点まで削られてしまいました。voidさんの手札に0マナ4点ダメージSpellのSoulfireがあれば終わってしまうという状況ですが、それでも並べたMinionにDefender of ArgusでTauntをつけて希望をつなぎます。voidさんのヘルスも残り11点ですから、次のターンが回ってくればこちらのMinionの総攻撃で削り切れるはずです。

スクリーンショット:Soulfireを引かれないことを祈りながらMinionを並べた場面

 しかし返しのターン、voidさんが漏らした言葉に私は敗北を悟りました。「ああ、引いちゃいました」。Warlockから放たれた炎が私のRogueを焼き尽くします。「Soulfireが引かれていなければ…」とは思いましたが、それまでvoidさんにはドローのチャンスがたくさんありましたから、引かれても仕方がない状況だったと言えるでしょう。
 どう動けばよかったのかをvoidさんに聞くと「Deadly PoisonBlade Flurryを使うのが早すぎたかもしれないですね。Zoo Warlockは手札を全部使ってMinionを並べたところに全体除去が飛んでくると厳しいです」とコメントしていました。たしかにヘルスで優位に立ったとはいえ、Flame ImpShattered Sun ClericしかいないところにDeadly PoisonBlade Flurryを使ってもカード2枚を交換するだけでしたから、手札の面で有利にはならないのです。3~5体のMinionが並んでいる状態で使うべきでした。

Control対策デッキの弱点
 「Midrange Shamanが苦手とするAggroデッキ」の対策として用意したはずのTempo RogueでZoo Warlockに負けてしまったことで、第2試合はすこぶる相性の悪いマッチアップになってしまいました。しかも私のMidrange Shamanは対Controlを強く意識したために、全体除去のLightning Stormの枚数を減らしていたり、Sen'jin Shieldmastaなどの安定したTaunt Minionを入れていなかったりしていて、普通のMidrange Shaman以上にAggroデッキへの対応力は低いものになっています。

スクリーンショット:2ターン目の状況。重いカードが多いので序盤にできることが少ない

 案の定、試合では序盤からvoidさんのMinion軍団に盤面を圧倒されることになります。3ターン目にはFeral Spiritを使って2/3 Tauntの狼を2体場に出していったのですが、返しのターンにSoulfireで潰されてしまい、壁として役に立ってくれません。

 Feral SpiritにはOverlord:2によって次のターン2マナの使用が制限されるという弱点があります。つまり3ターン目に出した場合は4ターン目に2マナしか使えなくなってしまうのです。Shamanが2マナでできることといえば、せいぜいTotemを出すことぐらい。
 その時点でFeral Spiritによって盤面を制圧できていればいいのですが、直後に除去されて盤面を取られてしまうと、そのまま相手に一方的に殴られる展開になってしまいます。voidさんはそのあたりも考えてSoulfireFeral Spiritを除去してきたのでしょう。

 Feral SpiritのOverlordがなければ4ターン目にChillwind Yetiといった安定したMinionを出すことができたのですが…。voidさんのMinionからの攻撃を受け続け、ヘルス12点まで削られた6ターン目に私の手札に来たのはFire Elemental。場に出たときに3点ダメージを飛ばし、かつ自身も6/5という高いステータスを持つとても強力なMinionです。
しかし、3点ダメージで潰せるのは小さなMinion1体だけですし、ステータスが高くてもTauntを持っていないのでヘルスが低いこの状況では相手のMinionにすり抜けて攻撃されてしまいますから、守りのカードがほしいこの状況では出していくことができません。ここはHexDoomguardに使って時間を稼ぐことにしました。

スクリーンショット:優秀な攻撃MinionのFire Elementalも盤面を抑えられている状態では出すことができない

 続くターンで相手の場に並んだ大量のMinionを前に「全体除去のLightning Stormが来てくれれば…!」という気持ちになりましたが、私はあえて対Aggroを無視してその枚数を減らしたわけですからそれを期待するのは虫が良すぎるというものです。
 対応カードを何も引けなければ続くMinionの総攻撃で潰されてしまう、という状況で私が引き当てたカードはArgent CommanderFire Elementalと同じく6マナ Chargeの攻撃的なMinionですがMinionの総攻撃を抑えられるカードではありません。こうして私は0-2でvoidさんのZoo Warlockの前に沈んだのでした。

スクリーンショット:最後に引いたArgent Commanderと共に砕け散る私のShaman

デッキの調整不足
 しかし、試合を振り返って想定外だったのはAggroデッキに有利だと思っていたTempo RogueでZoo Warlockに負けたことでした。
 プレイングの問題や先攻だったこと(RogueはコインでSI:7 Agentといったcomboの効果を起動できるので基本的に後攻のほうが強い)もあるのでしょうが、常にZoo Warlockに盤面を取られて殴られる展開で有利とは程遠く見えました。
 そこでvoidさんにお願いしてTempo RogueとZoo Warlockで再び対戦してみると案の定、あっさり敗北。Tempo Rogueは軽い除去が多くても武器で殴る関係上ヘルスの消耗が早いため、盤面を抑えられないと相手の猛攻に屈してしまう傾向にあるようでした。
 するとvoidさんは自身の「Zoo Warlock対策のRogueデッキ」を見せながら「Backstabなどの軽い除去と組み合わせて全体に1点ダメージを飛ばせるWild Pyromancerを入れるといいのではないか」といったアドバイスをしてくれました。Wild PyromancerはSpellを使うたびに全体に1点のダメージを与えられるMinionですから、たしかに軽いSpellの多いTempo Rogueとは相性が良さそうです。対戦後に自分がわからない点をじっくりと相手に相談することができる。これはオフラインイベントの大きな魅力ですね。

決勝戦

Priestの底力
 3-0だった私が2-1のvoidさんに負けたことで、4-0のプレイヤーが2人残る可能性はなくなりました。
 したがって3-0のダルさんとそうすいさんの試合で勝ったほうが優勝ということになります。voidさんとのゲームがすべて終わった後にその様子を覗いてみると第3試合のPriest(ダルさん)対Druid(そうすいさん)の試合が進行していました。

写真:決勝戦を対戦するそうすいさん(左)とダルさん(右)

 Priestは自身のHero Powerでヘルスを2点回復できるなど回復に長けたHeroで、またDruidも相手の自由な攻撃を許さないTaunt Minionが多いことから守りが強いHeroです。私の試合後も2人の試合が続いていたのは、こうしたHeroの特徴によって長期戦になっていたからでしょう。中にはデッキ30枚のカードがすべてがなくなった試合もあったとか。

 試合は一際目を引く局面になっていました。ダルさんがPriestであるにもかかわらず、Druidの優秀なTaunt MinionのDruid of the Clawを並べています。
 これはPriestのSpellであるThoughtstealによるものでしょう。Thoughtstealは「相手のデッキの中から2枚のカードをコピーして手札に加える」効果を持つので、本来なら使用できない別Heroのカードも使うことができるのです(ときどき武器がないのにDeadly Poisonをコピーしてしまうといったトラブルも起きますが)。
 なお、Priestの使い手として有名な香港のトッププレイヤーのAmaz選手は「このゲームに最高のカードがあるとすれば、Thoughtstealはそのカードを奪った上にさらにもう1枚のカードを得ることができる」としてそのすばらしさを称えています。

写真:Chillwind Yeti2体とDruid of the Clawを盤面に並べるダルさん(上) そのMinionの量でDruidかと勘違いしそうになるがれっきとしたPriest

 試合は盤面を抑えたダルさんがそのまま押し切り、リミテッド対戦会の優勝に輝きました。

写真:優勝のダルさん

 リミテッド対戦会優勝のダルさんは株のトレーダーを本業しており、カードゲームのHearthstoneも「将来何が上がってくる株(デッキ)か」を読むという意味で共通している面が多いとのこと。その独特な視点を語ってくれたインタビューは後日、本サイトに別の記事として掲載する予定です。

 なお、ダルさんのPriestのデッキは図らずもWild Pyromancerを除くすべてのMinionがアタック4のMinionで構成されていて、これがアタック3以下のMinionを除去するShadow Word: Painとアタック5以上のMinionを除去するShadow Word: Deathをすり抜けることから、最終戦のそうすいさんとのPriest対決がとても優位に展開できたといいます。

写真:ダルさんのデッキリスト

最終順位
 長期戦となった最終戦が終わると、Shinzakiさんから最終順位が伝えられ、約3時間続いていたリミテッド対戦会は幕を下ろしました。私の最終成績は勝敗数3-1で、残りヘルスの合計値によって7位という順位でした。Rogueは武器を使う関係上Heroのヘルスが減りやすいため、そこが順位に響いてしまった印象です。
 一方、優勝のダルさんなどはヘルスを回復できるPriestを使っていたので残りヘルス合計値が非常に高くなっていたようです。次回のリミテッド対戦会では「ヘルスをできるだけ多く残して勝利するにはどうすればいいか」と考えてデッキを組んでみるのもおもしろいかもしれませんね。

 ルールについて、前回は「Epic以上のカードとHero固有のRareカードが使用禁止」という制限だったので参加者の比率がMageとWarlockに偏っていましたが、今回は「Legendaryのみ使用禁止」という緩い制限だったことで多種多様なHeroを見ることができました。デッキの多様性という意味では成功だったと言えるのではないでしょうか。

写真:最終順位を発表するShinzakiさん(手前)

マリガン討論会

手札を公開してプレイする
 リミテッド対戦会が終了した頃には午後5時を過ぎており、再びフリープレイの時間となりました。Rankedを回す人もいれば、参加者との対戦に没頭している人もいます。

 そして、Shinzakiさんの席では前回大きく盛り上がった「マリガン討論会」が行われていました。マリガン討論会はフレンド対戦において「2人のプレイヤーが手札を公開し、『どんなことを考えて行動を決めているか』を周りに説明しながらプレイする」というもの。
 見ている側は気になったことがあれば「このターンは相手Minionを除去するよりも相手Heroを殴って致死圏内に近づけたほうが良くないですか?」というふうに聞くことができ、また、プレイヤー自身もわからない点があれば「このターンはChillwind Yetiを出すしかないと思うんですが、ほかにいい選択肢はないですよね?」というふうに周りと相談して、「このターンの最善手は何か」を探っていきます。
 各プレイヤーも(あくまでお互いの手札が見えていないという前提での最善手を決めるのですが)相手の手札を見ることができますから、相手の取った行動に対して「この手札だったらAzure DrakeよりもDruid of the Clawが残るほうがShamanとしては嫌ですね」などと感じたことを言い合うことができます。

写真:iPadを囲んでプレイの意見を言い合う参加者たち

Leeroy Jenkinsの意外な使い方
 席に近づいてみると、ダルさんとShinzakiさんがMiracle Rogue対Handlockで対戦していました。
 Handlockを操るShinzakiさんはMountain Giantといった大型Minionを展開していますが、ダルさんのMiracle Rogueの盤面には何もありません。
 Miracle Rogueの手札には相手の場に2体の1/1の幼竜を出す代わりに6点アタック Chargeという高い攻撃力を持つLeeroy Jenkinsと味方のMinionを手札に戻すShadowstepがあり、それでLeeroy Jenkinsを手札に戻してからまた出すことで連続攻撃ができるのですが、それでもShadowstepを2回使って合計3回攻撃するにはマナコストが足りません。
 かといってターンが進めばHandlockはSunfury Protectorといった近くのMinionにTauntを付与するMinionで守りを固めてしまいます。

 「うーん、これはちょっとMiracle Rogueの手札が悪かったですねえ…」と1人が言いました。諦めムードが漂う中、ダルさんは「とりあえず自分でやるだけやってみますね」と言って前述のLeeroy JenkinsShadowstepの組み合わせで相手Hero本体を攻撃していきます。

 すると思わぬ事態が発生。Leeroy Jenkins2回分の生み出した4体のMinionがHandlockの盤面を完全に塞いでしまいます。Hearthstoneは各プレイヤーの場に7体以上のMinionを出すことができないシステムになっていますから、これによってHandlockは自分のターンにSunfury Protectorを出してTauntを作ることができなくなってしまいました。
 Handlockがこのターン中にRogueを倒すにはダメージが足りないのですが、次のターンでMiracle Rogueは確実にHandlockを倒せる手札が揃っています。「Leeroy Jenkinsでこちらの盤面を埋めてTauntを出させないというのは上手いですね…。完全に詰んでしまいました」とHandlockのShinzakiさん。
 Leeroy Jenkinsにこんな使い方があったとは…。見ていた誰もが盲点だったこの展開に、マリガン検討会は大きく盛り上がったのでした。

上達のチャンス
 ダルさんとShinzakiさんの対戦が一通り終わって、「誰かほかにやりたい人はいますか?」とShinzakiさんが呼びかけたので、私は早速手を挙げました。ほかの人と自分のプレイを検討しながら対戦することでいろいろな気付きを得られるかもしれない、という願ってもないチャンスだからです。もう1人の相手には6月8日に行われた「GAMERS LEAGUE 2014 Season1 #1決勝トーナメントGroupA-H」優勝者のSleepyCatさんが名乗りを挙げました。

 どんなデッキを使うのがいいか、周りの人と相談した結果、私のToken DruidとSleepyCatさんのMidrange Shamanの対戦となりました。対戦では自分の思考を周りに説明しつつ、わからないときはほかの人の意見を参考にしながらターン中の行動を決めていきました。

 その中でとても勉強になったのが次の動きです。こちらの場にダメージを受けて4/4になったDruid of the ClawとSpellダメージを強化する4/4のAzure Drakeが並んでいる状態で、SleepyCatさんがAzure Drakeを出してきました。私の手札にはAzure Drakeを除去できるSwipeがあったものの、焦る必要はないと思い、傷を受けたDruid of the ClawAzure Drakeと交換しようとしたのでした。
 すると周りの1人から「Swipeと合わせて合計10点ダメージを相手Heroに与えられるのだから、ここは攻撃していくべき」という意見が出ました。理由はこうです。
「Magic: The Gatheringでよく使われる手法なのですが、手札によってゲーム全体の動き方を変えるんです。
 今回は最初にForce of Natureを引いたじゃないですか。この場合、Force of NatureSavage Roarのコンボで後半に相手のヘルスを14点を削れる確率がすごく高くなります。その14点を相手のヘルスから差し引くと残り16点でしょう。相手の残りヘルスが16点の状況では、この10点ダメージは残りヘルス30点に対する10点ダメージとは違って、相手のヘルスの総量の3分の2に匹敵するんです。だからここはSwipeを惜しまずに使って相手ヘルスを削っていくのがいいと思います」

写真:Swipeで相手のMinionを除去して10点のダメージを与えた場面

 この理由付けには私もはっとさせられ、10点ダメージを与えることを選択し、結果的にそれが決め手となって対戦で勝利することができました。このように、「他人の考えに触れる」と自分が見落としていたことがわかるので上達の大きな助けになります。
 1人だけでやっていると「この判断でいいのかな? どうなのかな?」と思いながらプレイすることが多く、また試合後に判断について相手の意見を聞きたくても、Rankedでは対戦相手がランダムですから、なかなかそのような話し合いができません。結果的に新たな発見を得るチャンスを逃してしまうことになります。
 それが、このような環境で周りの意見を聞くことができるなら、たとえば自分が詳しくないマッチアップでもほかの人に教えてもらえるので、Hearthstoneというゲームがより理解しやすくなるはずです。実際に自分でプレイしてみたことで、上達への大きな可能性を知ったマリガン検討会でした。

類似のイベントも増えるか
 こうしてHearthstoneを思いっきりプレイしているとあっという間に午後8時となり、部屋の使用制限時間が近づいたため、参加者全員の手で部屋の机を元の配置に戻して第一研修室を後にしたのでした。

 次回開催の予定は決まっていませんが、Shinzakiさんとしては「隔月のペースで開催していきたい」という意向です。私も次回があればもちろん参加し、内容をレポートするつもりです。

 オフラインのイベントに参加すると、オンラインで1人孤独にプレイするのに比べて人からいろいろな刺激をもらえます。賞金が出る大会というわけではありませんが、これもまたHearthstoneというゲームの有力な楽しみ方でしょう。リミテッド対戦会はもちろんのこと、続くマリガン討論会では1人では味わえない楽しさを感じることができました。
 また、ゆるHearthstone会のように「市民館の開催で参加者がノートPCを持ち込む」というスタイルなら、(少なくともネットカフェの貸切などに比べれば)主催者側の準備も楽でしょうから、「イベント運営の経験はないけど集まってゲームをやりたい」と思った人でも気軽に開催できるのではないでしょうか。主催者のShinzakiさんの姿を見て、私も今度近くの市民館でHearthstoneの集まりを開いてみようかな、と思った次第です。

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